コンセプトは ”どうしたら面白くなるか?” D の 問 題 どうしたら易しく面白くなるか
 もっと楽にならないか
8.2 ジャストインタイムなのだ D の 問 題《目次》
 1.生産管理の意義
 2.生産管理の必須条件
 3.短納期と在庫問題

 4.販売計画の精度向上
 5.生産同期化の仕組み
 6.リードタイムの短縮
 7.負荷・能力管理
 8.部材調達管理
納期と製品在庫については2章で述べましたが、
部品・材料については在庫前提で
単に先行手配するとしか述べませんでした。

それは、
最終工程リードタイムの短縮だけでも苦労するのに
生産実力リードタイムまで範囲を広げるのは
かなりハードルが高くなってしまうからです。



 しかし、
 止むを得ないからと言って
 いくらでも在庫して良いわけではありません。

 在庫は必要最小限で
 ムダのないスリムな生産の流れを実現する
 部材調達管理でなければなりません。


JIT(ジャストインタイム)なんてカッコイイ横文字で言うと、
オールマイティな改善手法と勘違いする人もいますが、

要するに「必要なものを必要なときに必要なだけ」調達するにはどうするか。

これが、部材調達管理の最大の留意点です。
  8.1 生産計画ができても
  8.2 ジャストインタイムなのだ
  8.3 生産計画との連動
  8.4 オールマイティな方法はない
  8.5 未確定注文をどうするか
  8.6 できるようにする工夫
 9.スケジューリング
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まず、部材調達の元になる情報、すなわち、生産計画の中に
当てにならない注文ロットがあるならば、
計画の精度を上げて、できるだけ確定に近い情報にしなければなりません。

その方策は、販売計画の精度向上(3章)、生産同期化の仕組み(4章)です。
これらの改善を推進している限り、現時点で可能な最も精度の高い生産計画になっている
と言うことができます。

部材発注はこの生産計画に基づいて、合理的に行われなければなりません。
前節のように、欠品を避けるためにとりあえず多めに手配しておこうというのでは
間違いなくムダな在庫が増えていきます。

どのタイミングでいくつ発注すれば良いか?

生産管理の参考書を開いて、代表的な発注方式として必ず紹介されるのが
定期発注方式と発注点方式の2つです。

 定期発注方式というのは、
 文字通り、必要な部材を定期的に
 まとめて発注するやり方です。

 注文数量は、発注する際の在庫量や
 出庫の動きを見て決めます。
 発注業務の手間が少なくて済み、
 品質が安定していて単価の安い部材は
 この方式が適用できます。



 発注点方式というのは、
 出庫が行われて、在庫の量が
 決められた量を下回ったときに
 発注するやり方です。

 決められた量のことを発注点と
 呼ぶことからこの名がありますが、
 在庫管理と発注の費用から計算した
 経済発注量で発注するので
 定量発注方式とも呼ばれます。

需要が安定してバラツキが少なく、調達リードタイムが短いものはこの方式が適用できます。

例えば、コンビニや量販店の商品のように、
需要予測に基づいて在庫を持ち、
連続的に消費されていくようなものに
これらの方式が使われます。

品切れ・欠品を防ぐためには
安全在庫量を見込んでおきます。
ただし、予測が外れてしまった場合は
長期滞留品となって残ります。


これに対し、部品・材料の場合は、生産指示により必要な分だけ出庫されるので、
まとまった量が不定期に消費されます。
このようなタイプの需要に定期発注方式や発注点方式を適用すると、
安全在庫をどんなに高く設定しても品切れになる危険があります。

 一方、生産計画に基づいて部品展開すれば
 計算で必要量を求めることができます。
 計画が大きく変動しない限り
 余分な在庫を持つことはありません。

 したがって、
 担当者は自己流の発注方式を考案し、
 生産計画を受け取る都度、自分なりに
 数量を計算して発注していました。
 そして、発注先にムリがきく担当者が
 優秀な資材マンと言われました。



 問題は計算の量でした。

 煩雑さにやむを得ずKKDを織り込んで、
 在庫にする失敗はいつものことでした。

それを解決したのがコンピュータの普及です。
ひとつひとつ理屈通りに計算して、正しい発注量を導き出したのです。

この方法は、開発者によってMRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)
と名付けられました。
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