コンセプトは ”どうしたら面白くなるか?” 品質でもうけなさい どうしたら易しく面白くなるか
 もっと楽にならないか
3.5 顧客満足?自己満足? 品質でもうけなさい《目次》
  プロローグ
T.品質とコストの考え方
お客様の満足と信頼を獲得するというのは、営業にとって最大の命題です。
もちろん、お客様に迷惑を掛けるなんてことは論外な話です。
1. 問題のない会社はもうからない
2. 品質の良し悪しはコストでわかる
3. 品質保証とはどういうことか?
            、、、、、、、、、、、、、、、 3.1
3.2
3.3

3.4
3.5
3.6
改善は現場の仕事ではない?
品質保証部の仕事は謝ること?
なぜ全員参加でなければいけないか?
検査をすれば品質が良くなる?
顧客満足?自己満足?
ISOなんて取らなきゃ良かった?
【問題6】

納期に遅れそうなときはお客様に迷惑が掛からないように
検査を省略して出荷している。
U.品質問題解決の進め方
4. 問題解決の効率化を図れ
5. 見える化で問題を共有する
6. 深堀りで解決の手掛りをつかめ
7. もうからない対策を立てるな
V.品質問題よろず相談事例
8. 品質問題よろず相談事例
9. レベルアップに必要な考え方

  エピローグ
・・・という状況はやむを得ないと思いますか?
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みなさんはどう思いますか?
彼らの考え方はおかしいと思いませんか?
納品したものが万一不具合になった場合、
納期遅れや欠品で被るロスと比較にならないほどの損害になってしまいます。
・・・やはり納期より品質の方が優先ではないでしょうか。

品質と納期、どちらが優先なのか? ・・・よくある議論です。
そこで、ちょっと脱線して心理学の話。
次の設問に
直感的に 答えていただきたい。
 [設問1] どっちが得か?
 A:確実に80万円得られる。
 
B:85%の確率で100万円得られるが
  
15%の確率で何も得られない。
同じように次の設問にも 直感的に 答えてください。
 [設問2] どっちが得か?
 C:確実に80万円損する。
 
D:85%の確率で100万円損するが、
  
15%の確率で何も損しない。
1979年、アメリカのカーネマンとトヴェルスキーという2人の学者が「プロスペクト理論」という行動科学の理論を発表しました。この理論はその後、行動ファイナンスと呼ばれる投資行動の研究分野を確立し、カーネマンは2002年にノーベル賞を受賞しています。
上の設問はその理論の中で紹介されている有名な実験です。
実験では、8割の人がAとDを選ぶという結果でした。
みなさんはどうでしたか?
ところで、この答えは合理的なものでしょうか?
合理的とは理にかなっているという意味です。
それぞれの期待値を計算すると
A80万×100%=80
B100万×85%+0×15%=
85
      ・・・で、Bの方が得。
C:-80万×100%=-80
D:-100万×85%-0×15%=-
85
      ・・・で、Cの方が得。
にもかかわらず、多くの人がAとDを選んでしまいます。

この結果から、カーネマンらは、人は様々な局面で必ずしも合理的な判断をしないと結論付けています。そこには特徴的な心理があり、それが投資行動に影響を与えて、複雑な株価の動きを形作っていると指摘しています。
つまり、
人はできるだけ早く利益を確定させたいと思っているのでAを選び、
反対に、できるだけ損失を確定したくないと思っているのでDを選ぶ、
という行動になっているというのです。
なぜ、こんな理論を紹介したかというと、
納期優先という考え方はこれとそっくりだからです。
・・・こう考えると、
納期よりも品質の方が大切のように思われます。
やっぱり、品質第一でなければいけない!
・・・・・・
・・・・・・
実は、この議論にはもっともっと大事な視点が欠けています。
それは、お客様の立場に立っていないということです。
品質第一にせよ納期優先にせよ、自分の立場でしか考えていません。
納期通りに良品を納めること
以外に納期確保という言葉を
使うことはできません。
大きな声では言えませんが、
本当に緊急の場合には経営判断で色々な対応が講じられるでしょう。
しかし、いずれにしても
お客様を裏切るようなことだけは絶対にしてはなりません。
 そして、もっと大事なことは、
 ノド元過ぎればなんとやらで、
 一件落着したあとに
 なんの対策も立てずに放置している
 ことが一番まずいのです。


 こういう時の動きで、
 マネジメントが機能しているか
 無能であるかどうかが見えてきます。
納期確保・・・まさに言うは易く行うは難しです。
だからこそ、問題解決をしっかりやらなければいけないのです。
   ≪楽屋裏話≫
 品質か納期か・・・今さらといった話ですが、いざという時に手抜きをして痛い目にあうという経験は、どの会社でも珍しくないようです。それゆえ、ISOのように厳しくルールを決めて遵守するということが、大きく前面に出てくるわけですが、ルールというものは緊急の時にはあっさり無視されてしまうもの。
 それよりも大切なことは、問題を一つ一つつぶしていって、すんなり納期確保できるくらいの実力がある現場にしていくことです。
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