2003年 1月 2月 3月 4月 5月
6月 7月 8月 9月
アナクロキャラのひげじいが独断と偏見で世相を斬る

ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/02ほかの日も見たい 次の日へ
テディベアウィルス!!
はしりがき
 恥ずかしいことに、これホントの話。
 そのとき、テディベアウィルスってどっかで聞いたことあるぞと、記憶をたどったのだが思い出せず、ならばとウィルスのリストに jdbgmgr.exe という名のファイルがないかチェックしたが、これも結局見つからなかった。今思えば、最初にYAHOOで検索すればよかったと思う。
 発信元はかなり信頼できるイギリスの友人だし、悪戯するような人では決してない。原語で送られてきているので、日本では知られてないのかもしれないと勝手にパニクってしまった。
 情報を転送して最初に反応があったのは、高校のときの恩師からだった。曰く、あれはウィルスのニセモノだよと。あわてて、YAHOOで検索して有名なデマ情報であることが確認できた。すぐに、謝りのメールを送ったが、反応があったのは2人だけだった。みんなデマだと知っていたのだろう。
 パソコンをいじるようになって20年以上のキャリアを持っている筆者としては、まことにもって恥ずかしい失態だった。おかげで、かなりコンピュータウィルスについてのウンチクを手に入れることができた。もちろん、イギリスの友人からも程なく謝りのメールが送られてきた。
 みんなも気を付けてください。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/03ほかの日も見たい 次の日へ
若きエリートの決意
はしりがき
 新しく公務員になった若者たちに小泉首相が訓示をしている報道を見た。霞ヶ関の旧弊の打破と声高に叫んでいた。賛成である。
 しかし、新人の彼らにそれを望んでもムリなのはわかり切ったことだ。少なくとも、一度でも組織で仕事をした経験のある人なら誰でもわかる話。
 新入社員が入社式でどんなに立派な社長の話を聞いても、その日のうちに忘れて跡形もなく消え去ってしまう。その代わりに彼らの価値観を形作っていくのは職場の人間関係なのだ。優れた上司・同僚に導かれれば、彼もまた優れたスタッフとして育っていくが、配属された職場に排除すべき旧弊がはびこっていれば、彼がそれに毒されるのは時間の問題である。
 上級公務員にパスするほどの優秀な彼らは、今までもずっとエリートとして扱われ、どん底とか敗北とか挫折とかを知らない無垢な若者だから、旧弊に染まるのもあっという間のことだろう。煮ても焼いても食えないような反骨精神のある奴はそんなところでは生きていけない。第一そんな人間がエリートになれるわけがない。
 無難に仕事と人間関係のバランスを取って、いずれ時が来たら天下り天下りで人生を謳歌するんだな、こいつら…と思いつつ、テレビのチャンネルを回した。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/04ほかの日も見たい 次の日へ
国連よりアメリカ
はしりがき
 北朝鮮が脅威でないとは決して言わない。しかし、問題は、本当に北朝鮮が日本に攻めてくるのかということだ。
 専門家の話によると、まず、北朝鮮の通常兵器は老朽化しており、燃料も不足しているので、通常兵器による攻撃はあったとしても脅威ではないという。とにかく問題はミサイルによる攻撃ということに絞られるのだそうだ。
 もし、北朝鮮が先制攻撃でミサイルを米軍基地や大都市に打ち込んできたとしよう。世界のどの国が北朝鮮の攻撃を正当化し支持するだろうか。そんな国を探す方が大変だ。何の利益にもならない行動に北朝鮮が打って出る可能性は限りなくゼロに近い。
 それでも、かの国の指導者は何を考えているかわからないから、いつミサイルのボタンを押すかもしれない。…と危機感をあおる意見も聞かれる。そうかもしれないが、そうなった場合は上に述べたとおりのことである。アメリカはもちろん、ほとんどの国が北朝鮮を非難し、一致して制裁を加えるのに躊躇しないだろう。
 つまり、イラク攻撃でアメリカを支持しないと北朝鮮有事のときどうするという議論は、実は全然かみ合っていないのだ。にもかかわらず、ことさらにアメリカ支持を鮮明にすることが本当に国益に合致するのだろうか。
 このところのイラク報道は、そうした危機感をあおって、日本として何か目立った行動をしないと世界から取り残されるというような、変な焦燥感をかもしている。ところが、実際、アメリカ支持と声高に叫んだところで、現実に当事国の市民から無視され、相手国のイラク国民からは幻滅され、他の関係国からは軽蔑されてしまった。カッコワルイったらこの上ない。
 それでも、内閣総理大臣をはじめ政府関係者の意気軒昂ときたら尋常じゃない。内閣支持率もわずかながら上昇したというから、やっぱ、日本人みんな理屈抜きでアメリカが好きなんだね。きっと。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/05ほかの日も見たい 次の日へ
若者の理想の若者
はしりがき
 SARS(重症急性呼吸器症候群)という新型の肺炎が脅威となっている。今のところわが国で感染の疑いがある者は出ていないようだが、今の様子だと時間の問題という感じだ。治療法がないというのがなんとも恐ろしい。
 しかし、最近の報告では、感染しても9割方回復しているというし、マスク着用や手洗いの励行で予防ができることが明らかになってきているので、くれぐれもパニックに陥らないように、落ち着いて対処していく必要があるだろう。
 注意点は次のとおり。
 症状 : 38度以上の熱。 せき又は呼吸困難。
       発症前10日以内に伝播確認地域に旅行又は居住していた場合に要注意。
 処置 : 発症が疑われる場合は、保健所、都道府県の感染症窓口、最寄の病院
       などに相談する。ただし、事前に電話連絡し、マスクをして出かけること。
 予防 : 外出時は市販のマスクを着用する。 手洗いを頻繁に行う。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/06ほかの日も見たい 次の日へ
お花見じゃあ!
はしりがき
 今年も花見のシーズンがやって来た。ほんのり薄いピンクのかかった花のかたまりが枝々にひしめき合って、春の青空に映える様は、思わず「きれい!!」と口に出さずにいられない。
 でも、この「きれい!!」は決して「美しい」という意味じゃない。「美しい」というと、なにかこう、艶やかというか、あるいは洗練されたというような、そんな落ち着いた言葉の響きがある。ところが、桜の「きれい!!」ときたら、独特の華やかさ。理屈抜きで人の心を高揚させる華やかさだ。その華やかさは、人を狂わせる。
 ただでさえ、鬱屈した社会の中、血の気のやり場に困っている若い衆にとっては、大騒ぎせずにはいられない。思えば、毎年の成人式もそうだし、昨年のワールドカップもそうだった。目立ちたくてやるのだとも言うが、あちこちで個性のない変わりばえのしないドンちゃん騒ぎ。
 それもよかろう。ちょんまげの時代から、桜の下では酔狂三昧。中間管理職のおっさんたちも、今宵ばかりはうさ晴らしの桜の宴。

 …あと片付けくらいしろよ。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/07ほかの日も見たい 次の日へ
アトムの誕生日
はしりがき
 2003年4月7日、あの鉄腕アトムの誕生日ということで、生誕の地とされる高田馬場ではお祭りが催されたそうだ。高田馬場は筆者が育った町でもあるので、格別な感慨がある。とはいえ、アトムの生みの親、手塚治虫が想像した科学省なんて官庁はないし、アトムに匹敵するような人間型ロボットの開発までには、まだまだ遠い道のりがあるようだ。
 鉄腕アトムというと、すぐアニメーションが話題になるけれども、筆者にとっては、当時の人気月刊誌「少年」の連載マンガとしてのアトムの方が印象深い。ストーリーの斬新さ、洗練されたイラスト、夢のような未来都市などなど、その魅力は悪ガキどもに未来の科学者を夢見させたものだ。
 現在のポケモンとかコナンのような派手さはないし、物語としても陳腐なものがほとんどだったが、ちょうど日本経済が敗戦後の不況から高度成長のはしりに差し掛かる頃のことで、当時の人気マンガはどれも、子供たちに夢を持たせようとする作者の意図が感じられるものが多かった。歴史の中に埋もれてしまった作品ばかりが気になってしまうのは何故だろう。「ストップにいちゃん」とか「じゃじゃ馬くん」とか「ビリーパック」とか「シルバークロス」とか…ははは、知っている人どのくらいいるだろうねぇ。でもねぇ、無邪気で、無害で、それなりに面白かったんだよ。
 今や、マンガと言えば、そのまま英語になっているほどの代表的な日本の文化になった。いい年をしたサラリーマンが堂々とマンガ雑誌に夢中になっているのも当たり前の光景だ。その光景の、地球の裏側で、今日も爆弾が投下されている。
 アトム誕生日おめでとう。でもね… 



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/09ほかの日も見たい 次の日へ
気が知れないね
はしりがき
 この世に生を受けた以上、歴史にその名を残したいとでも思うのだろう。実は、本人の気が知れようと知れなかろうと、また、独裁者であろうとなかろうと、為政者や権力者は銅像を建てたがるものなのだ。そうでない方がむしろ珍しい。
 新潟に行けば角さんの銅像は当たり前だし、この人ほどの業績がなくても、例えばその土地に道路や橋を作ったとかすれば、もう立派な銅像ものである。政治家だけじゃない。少しばかり大きな会社になれば、本社ビルのロビーとか会議室なんかに創業者とか現社長の銅像とかが誇らしげに建っているものだ。
 だから、普通の感覚でとらえれば、サダム=フセインみたいな独裁者があちこちに銅像を建てるのはごく自然のことでわかりやすい。もし、彼が銅像を建てないで今まで生きてきたとすれば、その方が不気味で、何を考えているか気が知れない。その意味では、親父様の大きな銅像は目立つが、将軍様本人はほとんど写真だけという北朝鮮の方が、理解しにくくて扱いが難しいのではないか。
 この観点で言うと、自分の写真集を、それも在職中に出版するというのは、ちょっと普通の政治家としては理解しにくく、気が知れないところがある。最高権力者としてのガチガチのプライドと、アイドルタレントとしてのギンギラギンの気分のはざ間で、ひたすら我が道を行くわが内閣総理大臣の地元に銅像は建つのか?それとも…?



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/14ほかの日も見たい 次の日へ
メソポタミアの行方
はしりがき
 たまたま、英会話教室で 'free' についての話になった。和訳では「自由」という言葉がすぐ思い浮かぶけれども、英語の "free" には「無料」という意味もあるし「無制限」という意味もある。ニュアンスとしては「束縛がない」とか「制約がない」という感じがもっとも近いようだ。
 'free'という概念が日本の社会に登場したのはいつ頃なんだろう。封建主義社会で長いこと武士に支配されてきた庶民にとっては、およそ馴染みのない概念に違いない。おそらく、明治の自由民権運動あたりから身近になってきたのだろう。だから、日本語でいう「自由」は、読んで字のごとく「自らに由る」という意味がはっきり含まれる。「自由」とは常に責任が伴うのが当然で、決して「放埓」や「無制限」や「勝手」とは違うものだと、学校でも教えられてきたものだ。
 そういう予備知識を持って「自由」の国アメリカの国防長官の話を聞くと、どうも感覚のずれを感じて仕方がない。略奪や暴動が起こるのも「自由」の恩恵という意見は、どうしても受け入れがたい。ところが、よーく考えてみると、彼は「自由」について語っているのではなくて 'free' について語っているのであった。
 自由解放のための戦争なんていうスローガンを彼らは好んで使う。アメリカだけでなく、中国やかつてのソ連もよく使っていたが、中身は侵略戦争と大差ないものもあった。こうした大国がうたう「自由」は疑ってかかった方が良い。それは確かに 'free' のための戦争かもしれないが、「自由」のための戦争とは限らない。
 なんの制約もなく、好きなようにやりたい放題っていうのが、'free' の意味であるとすると、イスラムの教えに従うことを願う中東の人々にとって、アメリカの主張がなんと的外れなことか。これでは、どんなに大統領や国防長官が否定しても、石油ねらいの戦争と批判されても仕方がない。
 力のない国のひがみではないが、略奪された石油、古代遺産、宝物などは結局大国のふところに落ち着くのだろう。おっと、そのオコボレにあずかろうと、わが国の政府や与党はすぐにアメリカに尻尾を振ったんだよな。重畳重畳。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/15ほかの日も見たい 次の日へ
過激な2期目
はしりがき
 人は誰でも自分を中心にして考えるから、はたから見て右だ左だと言われても、自分は真ん中にいると思っている。石原都知事を中道と言う人は一人もいないだろうけれども、不思議なことに誰もこの人を右だとは言わない。そう言うのをはばかっているようにさえ見える。多分、都知事自身も自分を右だとは考えていないだろう。共産主義や社会主義をケチョンケチョンにこき下ろすのは理解できるが、この人の立場からすると良識的な中道路線まで相対的に左に見えてしまうようだ。
 さて、プロレスラーが政治家になるほどの時代だから、今時、タレント議員なんて言っても珍しくもなんともなくなった。小説家だった石原都知事が参議院議員に初めて立候補した頃は、自身もタレント議員の一人に数えられていたものだ。今はそれだけ、政治家とタレントの境目がなくなったということかもしれない。そう考えると、今の内閣総理大臣のアイドルぶりもなるほどと思う。要するにイケメン的人気が政治家生命を支えているのだ。
 石原慎太郎という政治家もそういう意味では現首相に負けず劣らぬスーパーアイドルである。好戦的で危険な匂いがスパイスとなって、ファンにはたまらない魅力を感じるものらしい。自民党を自ら飛び出して一人で政治をかき回す抜群の行動力は、党を割ると言って裏切り通しの現首相を、今や完全に圧倒しているかもしれない。
 が、こういう政治家が権力の中枢に鎮座することを想像するのは正直恐ろしい。都知事選で歴史的大勝利なんていうのは、都民の無節操なミーハーぶりを象徴しているようで、あんまり気持ちの良いものではない。
 しかし、よーく考えてみよう。ここで敗北して、次の政治活動のきっかけを与えてしまうと、それこそ明日にでも石原新党総裁として、次期総理の目が現実味を帯びてくる。
 なーるほど、さすがは首都東京に住む人たちは一味も二味も違うわいと感心するほどの今回の結果だった。いや、ホント冗談でなく…。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/21ほかの日も見たい 次の日へ
古き良き貧乏時代
はしりがき
 昔、筆者が住んでいた高田馬場のボロ屋敷は、玄関口の引き戸を蝶ネジで止めるだけだった。勝手口に至っては引き戸のネジそのものが壊れていて、ネジ穴に割り箸を突っ込んだだけだったのだから、いつ泥棒が入って家財道具一式持って行かれてもおかしくなかった。防犯もへったくれもない。そんなのん気な家だった。
 実際、ばあちゃんの話。ある時ホントに盗っ人が入ってきたものの、金目の物なんか全然なくて、ウロウロしていた所をばあちゃんに見つかってしまった。そこで、ばあちゃん、盗っ人と話をしているうちに昼飯の時間になったので、盗っ人にも食べさせて、そのまま帰してしまったという。ウソだろうそんな話と思ったら、当時はあちこちで似たようなことがあったようだ。
 かと思えば、見たことないおじさんがふらっとやってきて、じいちゃんと縁側に腰掛けて世間話で時間をつぶして帰っていくなんてことも、たびたびだった。もちろん、後で聞いたらその人じいちゃんの知り合いだったんだけど。
 考えてみれば、自動車はもちろん、テレビも冷蔵庫も高級品だったあの時代。守るべき財産なんてせいぜいタンスの奥に隠した貯金通帳ぐらいのもの。隣り近所と仲良く付き合っていくのがもっとも効果的なセキュリティーだった。
 確かにあの頃とは比較にならないほど豊かになった。その豊かさを守るためのセキュリティー技術も発達した。家と外界を隔てる壁は頑丈になり、つまりは外界とのつながりがなくなってしまった。今は、たとえ貧乏でも、昔のような近所付き合いができなくなってしまった。例えば引越しの挨拶などをしようとしても、かえって変な目で見られてしまう。悲しい事ではないか。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/22ほかの日も見たい 次の日へ
暴力団も有権者
はしりがき
 松浪健四郎衆議院議員の秘書給与を暴力団組員が経営する会社から肩代わりを受けていた事件で、福田官房長官がポロッともらした発言。
 松浪議員の問題は何をかいわんやだが、例によって与党はこれを擁護する姿勢。こんなことやっているから、政治不信を招いて無党派層が増えるんだよ。…と言っても、今の選挙制度は政治無関心が増えて投票率が下がれば、組織票のある自民党が勝利する確率は高くなる仕組みになっているから、どうってことないんだろうけど。
 結局、この問題はイラク戦争や北朝鮮問題、SARSなどの陰に隠れてウヤムヤになっていくのだろうけれども、個人情報とか有事法制とか重要案件が目白押しの時に限って、こういうスキャンダルが表面化するから、なにか意図的に政治運営をわかりにくくしているんじゃないかと思いたくもなる。
 ところで、この問題で福田長官がもらした言葉は不用意に出たとはいえ、政治家の本音が感じられるものだった。要するに、彼らはわれわれみたいに暴力団をおっかない存在とは思っていないんだね。こう言って、全国の暴力団の支持を取り付けると最終的に何票くらいになるんだろう。結構ばかにできないかもしれないよ。
 問題は、彼らがちゃんと投票に来てくれるかどうかだ。もし、しっかりと投票にやってくるようなら、彼らの方がわれわれより民主主義の意味がわかっていることになる。いずれ、暴力団政党なんてのができるかもしれない。くわばらくわばら。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/24ほかの日も見たい 次の日へ
なんてたってコイズミ
はしりがき
 筆者は特に民主党を支持しているわけではないが、元々技術系の仕事をしていたので、菅代表のデータと論理で展開する発言には好感が持てる。代表は東工大の出身というから、こういう筋の通ったアプローチはお手のものなのだろう。
 しかし、論理的だからといって支持されるとは限らないのが政治の世界。各メディアの世論調査を比較してみても、確かに一時の異常な小泉フィーバーは冷めたが、相変わらず小泉内閣の支持率は40〜50%を維持しているし、政党別の支持率も自民党は常に民主党の5〜6倍の高さを誇っている。全体では無党派層が過半数を占めているとはいえ、自民党のこの強さは圧倒的なものだ。どんなに頑張っても民主党にこのマネはできない。
 この強さは一体何なのだろう。支持者のすべてが、民主党が批判するような政・官・業絡みでもなかろうし、大半は自民党の政策に共感しているのだろう。とはいえ、自民党の中にはピンからキリまで色々な意見があって、それが自民党の良いところなんだと支持者は言うし、自民党の政策自体が何だかよくわからない。
 わかっているのは、菅代表がどんなに論理のすり替えと叫んでも、小泉内閣の支持率は変わらないという事実で、ここから推測する限り、支持率というのは筋や理屈ではなくて、派手なパフォーマンスで上がるものなのかもしれない。
 しかし、菅代表が「感動した!」と絶叫する光景なんて、あまり様になるとは思えない。民主党が政権を奪取するためには、もっと大衆受けするタレント議員を代表に立てなければダメかもしれない。もっとも、そんな芸能民主党なんて全然魅力ないけどなぁ…。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/25ほかの日も見たい 次の日へ
地獄へのパスポート
はしりがき
 フランス人はみんな地獄を信じるのだという。世の中、悪いことをする奴らばかりだが、庶民がいくら怒ろうと嘆こうと、結局はまんまと逃げられ、あるいは権力の陰でのうのうと生き延びられて、何の罰も与えられずに終わってしまうのがこの世の中。そんな社会で現実に生きていくためには、奴らは必ず地獄に落ちていくのだとでも思わなければ、とてもやってられないから信じるのだという。
 仏教学者のひろさちやさんの著書の中で、そんな一節があったのをふと思い出した。
 悪質商法の被害に遭った痴呆症のお年寄りや知的障害者、精神障害者らが、全国の消費生活センターに相談する件数がこの6年間で2万件を超えることが、国民生活センターの調査で報告された。しかも、その件数は年々増加の傾向にあるという。
 一般の健常者ですらこの手の業者に悩まされることが多いというのに、こうした社会的弱者を狙った被害には、言葉にならないほどの怒りを感じてしまう。そして、多くの場合、業者は捕まらず、被害者の泣き寝入り、家庭崩壊、自殺等々で決着してしまうという現実を見ると、怒りを通り越して無力感すら感じないか。
 やっぱり地獄はあるんだよ。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/04/26ほかの日も見たい 次の日へ
小泉政権2周年
はしりがき
 確か、電気蚊取りのコマーシャルだよね、これ。大滝秀治さん扮する老人と、岸部一徳さん扮する(多分)その息子が、神社の前で会話を交わす。息子がクソ真面目に誰でも知っているような話を話し始めると、間髪入れずに老人が「つまらん!」と怒鳴る間合いがなんとも滑稽で、しかも変に納得させられてしまう。最近のコマーシャルでは秀逸の作品じゃないか。
 小泉政権がスタートして2年。国民の圧倒的な支持で始まった政権だが、政治的実績はともかく、パフォーマンスだけは色々楽しませてもらった。しかし、最近はそのパフォーマンスもなんだかネタ切れのようで、またかよっていう感じ。それぞれの局面でどんなことを喋るか、初めから見え見えだもんね。正直なところ聞き飽きてきた。
 というわけで、ちょいと例のコマーシャルの設定を拝借して小泉首相に息子役を演じてもらうと、まだまだ小泉パフォーマンスはギャグとしてなら使えそうだ。
 要するに、この首相は駆け引きとか論理とかに神経を使う前に、とにかく自分の感情を大事にする人なんだね。浪花節っていうか、ど演歌っていうか、はたまた長嶋茂雄っていうか、日本人て、そういう類いの人を好むから、この首相の人気が衰えないのも、そんなところに秘密があるんだろうな。
 ヤケクソでもなんでもいいから、ちったぁ景気を良くしてくれないもんかねぇ。

 ひげじいの365日 ほかの日も見たい
ホームにもどる ページ先頭へ 次の日へ
Copyright (C) 2007-2008 omoshirogari. All Rights Reserved.