2003年 1月 2月 3月 4月 5月
6月 7月 8月 9月
アナクロキャラのひげじいが独断と偏見で世相を斬る

ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/01ほかの日も見たい 次の日へ
ニセ警官に注意
はしりがき
 警察絡みの事件が連続する。盗っ人を捕まえるべき警察が、逆に盗っ人に入られてしまうのだから、警察としては面白くないだろう。素人感覚で言えば、お巡りさんも苦労するねと同情もするし、そんなもの盗む物好きもいるもんだと思うような話。
 だが、もし盗っ人が盗品を身に着けてニセ警官にでも化けて悪さしたら…と思うと放っておけない問題だ。本物の警察用品はマニアの間で数万円で売り買いされているという。ということは不特定多数の手に入る流通マーケットがあるということだ。笑い事ではない。
 ニセ警官が犯罪を犯した場合、当然本人の罪が問われるだろうけど、使われた警察用品を盗まれた責任はどうなんだろう?…ま、そこまで、警察を責めるのはかわいそうか。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/03ほかの日も見たい 次の日へ
ひなまつり
はしりがき
 今年は孫のために飾ってやろうと、母がひな壇を組み立てた。安物の古い七段飾りだが、きちんと人形を並べてみれば壮観である。正月、節分、そして、ひな祭りと、節目節目の行事は、日本の心だよ。忘れたくないもんだね。
 それにしても、ひな飾り。きれいに着飾って、すまして大人しく座っているっていうのが、日本の美人像の原型なんだろうなと、ふと思ってみたりして。今時の女の子には退屈で退屈で耐えられないだろうけど、じっとストレスに耐える能力というのは、オスよりメスの方が数倍優れているのだそうだ。そのことを証明する動物実験を見たことがある。
 だからといって、少しオンナどもは大人しくしろ、なんてことを言うつもりは微塵もない。むしろ、ストレスのるつぼである管理職など、気位ばかり高くて精神的にヤワな野郎どもより、女性の方が断然向いているんではないかと思うくらい。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/04ほかの日も見たい 次の日へ
池袋駅傷害致死事件
はしりがき
 最近は、ついカッとした勢いが人を死に至らしめる事件になってしまう。感情の抑制がきかないというか、それだけみんなイライラしているのかもしれない。裏返せば、隣にいるごく普通の人が簡単に殺人犯になってしまう世の中ということだ。
 あの日暮里駅殴打事件の犯人が26日捕まった。事件発生から4ヶ月のスピード逮捕だが、被害者は未だに意識不明の重体だという。
 逮捕された犯人は、なるほど例の似顔絵と顔の輪郭は似ているが、解決の糸口は似顔絵より駅の防犯カメラだった。報道によれば、日暮里駅の防犯カメラに映っていたのと似た男が、取手駅の防犯カメラにも映っていたことがきっかけで捜査が進み、その後一気に解決に向かったという。
 実際、似顔絵だけの手掛りで犯人を見つけ出すのは相当難しいらしい。
 そう考えると、この7年前の事件も、似顔絵だけでなくもっと総合的な捜査が必要なのだろう。傷害致死事件だと時効になってしまうのだそうで、これを殺人事件に切り替えた以上、再び時効にならないよう捜査に力を入れてもらいたいものだ。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/06ほかの日も見たい 次の日へ
虫いずる候
はしりがき
 啓蟄は旧暦二月の節。資料によれば「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」 とあり、地中にひそんでいた虫がはい出てくる日とされる。
 もっとも最近は、自己虫、アル虫、信号ムシ、ガングロウにおじゃま虫と、珍種の虫が1年中おもてを徘徊していて、節目が伏し目になってしまう。せいろ蒸しとか茶碗蒸しだったらいいんだけど、どうもね、歓迎されない虫が多いようで…



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/11ほかの日も見たい 次の日へ
捕獲作戦失敗せり
はしりがき
 主に北方の冷たい海を生息域とするアゴヒゲアザラシが一匹、よりによって都会の喧騒の近くに姿を現したのは、昨年の夏のことだった。最初に多摩川に現れたので、タマチャンという名前が付いたこのアザラシは、以来全国的なアイドルとなって、平日の昼間だというのに大勢の人が見物に集まってくるという大フィーバーとなった。このときも、捕まえて北に返せだ、いや動物園に保護しろだ、ああだこうだと論議をかもしたが、結局アザラシの自由意志に任すということで一件落着したもんだった。
 学校の夏休みが終わって少し観客が減り、台風の影響もあって多摩川から姿を消すと、ようやくフィーバーも落ち着きを見せ始めた。その後鶴見川を経て再び横浜の帷子川に現れ、ご親切に住民登録までしてもらって、のんびり過ごしていた。
 その間も、人間どもは、せちがらい世の中をあくせくと生きていく毎日。株価下落、イラク攻撃、拉致問題等々、殺伐としたニュースの合間に、まるで正反対ののん気なアザラシの生活が伝えられて、ようやく息が抜けて心が癒されたものだった。
 付かず離れずというのが、人間の近くにいる野生動物の生き方なのだそうだ。例えば、野良猫がそうだし、スズメやカラスといった野鳥がそうだ。彼らは人間に触れられるのを極端にいやがる。多分、それが身近な野生動物に接する最低限のマナーなんだろう。
 捕獲して一時的にどこかに収容するんだという。どういう意図なのか理解に苦しむが、自分の考えは絶対正しくて強引に手を下すというやり方は、どこかの国の政府にも似て、まことに心が癒されないニュースであった。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/16ほかの日も見たい 次の日へ
戦争?関係ねーよ
はしりがき
 日本はかつて、世界中のどの国よりも反戦を声高に叫ぶ国だった。戦争に行った世代は二度と過ちは犯すなと経験を語り、純粋な若い世代は平和の旗手として、先頭を切って反戦を訴える国だった。こうした思想の自由、表現の自由は、世界に誇る平和憲法に保障されていることをみんな知っていた。
 ところが、大学紛争や空港反対闘争などでの若者の暴走が社会問題化し、政府が学生運動を禁止する通達を出したあたりから、反戦活動が骨抜きにされてしまった。通達に反して活動に参加する族は反政府組織と見なされ、それが共産主義革命の脅威と重なって徹底的に抑圧された。確かに連合赤軍とか京浜安保共闘とか過激な連中が問題を起こしていたが、彼らがすべてだったわけではない。よく見ろ、今だって過激な暴走を繰り返す頭の軽い連中がいるが、彼らが今の若者を代表しているものか。
 かくして、日本では反戦デモに参加するような連中は、急進的共産主義者のレッテルを貼られ、まともな職に就くことも許されず、また、一般の市民はそうなることを恐れて誰も表立って戦争を批判しなくなった。文句はあっても黙って無難に生活するに越したことはない。それは、まさに意気地なし、アメリカのペットと言われても仕方のない生き方だった。
 社会の流れがそのように動けば、機を見るに敏な世渡り上手が、戦争を肯定しだす。意気地なしと言われるのがくやしければ、日本も軍備をして協力すべきだと言うようになる。あげくの果てに憲法なんて実情に合わないから変えてしまえと叫びだす。そして、今やそれが正論みたいになってしまった。
 なんか変だよね。憲法を実情に合わなくして、日本を意気地なしに変えてしまったのは日本政府自身だと思わない?
 ハイテク兵器に身を固めた職業軍人が勇んで人を殺しに行くより、一般市民が国を挙げてスクラムを組んで戦争反対を叫ぶ方が、勇敢で誇り高いと思わないかな?
 …思わないんだろうね、もはや…



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/17ほかの日も見たい 次の日へ
合衆国ニッポン州の問題
はしりがき
 仮定の話には答えられないとか、その場の雰囲気で決めるとか、そういう政府関係者の話を聞いても、最近は怒りもわいてこなくなった。またか、という感じ。かえって、怒りをおもてに出してパフォーマンスをしないと存在感のない野党がかわいそうなくらいだ。
 何も答えてくれなくても、最後はアメリカにべったりということがわかりきっているので、あいまい答弁をそんなに深刻に考えることもなかろう。わかりにくくなったら、アメリカを見れば良い。
 専門家の話だと、アメリカが最も好んでいる極東の国は中国なのだそうだ。世界一の人口は魅力たっぷりの消費市場だし、人件費が安いから生産拠点としても格好の国だ。人件費が高い上に、消費が冷え込んでいる日本とは大違い。歴史的に見ても過去アメリカと敵対することがなかった大国が中国だ。いずれ、極東におけるアメリカの盟友は日本から中国に移行するとも言われている。
 さてさて、大好きなアメリカから見放されてしまうなど、とんでもないこと。どうせ、今までもアメリカの言う通りにやってきたわけだし、この際、アメリカの51番目の州になるのはどうか。世論調査したら、面白半分で5%以上賛成するんじゃないかな。でも、この場合5%って小さい数字じゃないぞ。なんたってそれは600万人、イリノイ州やマサチューセッツ州の人口に相当するんだからね。
 とりあえず英語の勉強だけはしっかりやっておいた方が良いかもな。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/20ほかの日も見たい 次の日へ
イラク攻撃開始
はしりがき
 人間はともすれば尊大で不遜になりがちな生き物だ。そんな人間にとって、自分を客観視する存在を設定することは、とても意義のあることだと思う。宗教はそれを神あるいは仏という形で、われわれに提供する。だから筆者は宗教を否定しない。信仰を持つことはとても良いことだと思う。
 神は超越した存在。仏は悟りを開いた存在。いずれにしても、すべての人間に畏れ多い存在で、しかも、いずれの教えにおいても、われわれを幸福と繁栄に導いてくれる有難い存在として定義されている。それは、ほとんど例外なく。
 そんな神や仏が、ある特定の信者だけを助け、それ以外の人々に死や病気や災害や不幸をもたらすことを望んでいるのなら、そんな神仏なんていらない。なくなってしまえ。
 キリスト教の主も、イスラムのアッラーも、そんなこと望んでないはずだよ。人間の勝手で都合よく祭り上げる、そんなの本物の神じゃないぞ。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/22ほかの日も見たい 次の日へ
バリアフリーは誰のため?
はしりがき
 駅のエスカレータで車椅子の女性が大怪我をしたという記事が載っていた。事故防止のためには、最も安全なエレベータを設置すべきだという意見で締めくくってあった。
 確かにその通りなんだけれども、実際にこうした設備が設置された駅を見ていると、いわゆる健常者が先を争って駆け込む光景が当たり前になっていて、一体誰のための設備かわからくなってくる。
 そりゃ便利で楽チンだよ。でも、せっかく健康なんだから、そんなもの利用して体をナマらせることないと思うけどな。じっとしていることの多い都会の生活では、できるだけ体を動かすことが生活習慣病の予防になるって、みんな知ってるでしょう。階段を使いなさいよ、階段を。
 バリアフリーの設備がないところでは積極的に車椅子利用者の手助けをしてあげたらどうだい。肩がちょっと触れたくらいでカリカリするような殺伐とした気分で通勤するより、弱い者を少しでも思いやるゆとりを持てよ。その方が余程気分の良い一日を過ごせると思うよ。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/25ほかの日も見たい 次の日へ
来年度アカデミー候補作
はしりがき
 本年度のアカデミー賞で一番話題になったのは、ノミネート作品そのものより、イラク戦争に対する映画関係者たちのスピーチだった。アメリカ国民の80%がこの戦争を指示しているというのに、マイケル=ムーアを始めとする一部の受賞者・関係者はあからさまに反戦のスピーチを披露し、指示の拍手と反発のブーイングが会場に飛び交った。
 こういう光景を見ていると、日本でこんな派手な政府批判なんかしたら、メディアも国民もこぞって非国民扱いをするんだろうなぁと思わずにはいられない。たとえば、受賞を辞退しろなんていう脅迫電話がバンバンかかってくるかもしれない。
 日本じゃ、何人かの有名人が開戦前にウェブサイトに反戦スピーチを掲載したりしていたけど、ほとんどボヤのようなもので、今では誰も注目していない。憲法で言論の自由が保障されているとはいえ、普通の人はみんな、こういう方向で目立つようなことはほとんどやらない。周囲の目が怖いので、黙ってお上の言うことを聞いているほうが安全だと思うのがこの国の常識だ。
 今目立つのは、政府御用達のタレント・学者ばかり。寄らば大樹の陰とか、長いものには巻かれろとも言うし、タレントや学者にとって手っ取り早く有名になって稼ぐためには、いかに国家に無害な幇間になるかということだもんね。今大流行のテツ&トモみたいな人気者が派手に反戦をアピールすれば、ものすごい影響力があると思うけど、騒ぎが収まった頃にメディアから完璧にほされちゃうのは目に見えている。悲しいけど日本ってそういう社会なんだ。
 アメリカもろくな社会じゃないなとは思うけど、それにつけても、マイケル=ムーアの過激なブッシュ批判は痛快だった。彼自身が受賞後のインタビューで答えているように、周りを気にせずに自分の意見をはっきりと主張できる風土があるだけで、アメリカはまだ救われていると思う。



ひげじいの365日 前の日へ 2003/03/31ほかの日も見たい 次の日へ
兵隊さんはつらいよ
はしりがき
 結局、米英軍によるイラク攻撃が始まって、首都バグダッドで市民を巻き込んだ市街戦にでもならない限り、圧倒的に戦力の勝る米英軍が勝利するのだろう。
 早くも戦後のイラク復興の話もちらほら話題になっている。どうせ日本は経済的な援助でしか貢献できないのだから、この深刻な不況と財政難でどうするのっていう論議があちこちでささやかれている。中には、大金を出したところで、湾岸戦争のときのように何の感謝もされないと悲観的なことを言う人もいる。
 以前は国粋主義者か右翼のおじさんくらいのもんだったが、今ではリベラルな人でも、世界の一流国になるためには、やはり軍事力がなければならないという結論になってしまうようだ。
 昔、父から聞いた軍隊生活というものは、今の体育会系なんかの比ではないくらい上下関係が厳しくて辛かったそうだ。命令遂行のために徹底的な統率が求められるわけだから、当然といえば当然の話。今軍隊ができたとしてもその本質を変えることはできないだろう。一流国になるにはそういうのがどうしても必要なのかね。
 とりあえず、今はちょっと金がないから援助できないと、はっきり言ってやればいいじゃん。そうすると、どの国も間違いなく、そりゃ困るって言ってくるよ。そうやってまず出し渋ってから、なんとか工面して資金援助するってことにでもなれば、世界中から感謝されること請け合いだよ。
 でもまあ、別にそんなに認められなくてもいいと思うんだけどな…

 ひげじいの365日 ほかの日も見たい
ホームにもどる ページ先頭へ 次の日へ
Copyright (C) 2007-2008 omoshirogari. All Rights Reserved.