気ままな雑記帳 | 画・文:平澤 功 おもしろがりホーム |
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甘蕉:バショウ科の多年草。バナナ。 |
081002 ばなな 080904 さんもんしばい 080830 ほこり 080815 ゆう 080806 ぐこう 080730 か 080629 たいしゃ 080615 みり 080602 なわばり 080526 かいぜんのねだん 080414 はなし 080410 ねんちゃくせい 080401 ひとごと 080325 しつけ 080320 ちてきほうこう 080319 まくら 080312 ぞくぶつ 080303 みかん 080229 うるう 080228 らん 080226 さい |
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仏さまにお供えができないと母がこぼす。 うちはみんな甘党で、父・祖父母みんなバナナが大好物だったので、仏前の供物に欠かしたことがない。ところが、このところ夕方にはどこのスーパーもバナナは売り切れ。高級品ですら手に入らないほどの異常さである。 朝バナナダイエットというのが流行っているのだそうだ。朝食をバナナと水だけにしておけば、あとは好きなものを好きなだけ食べて、運動をしなくてもやせられるというのである。効果のほどは知らないが、以前もスキムミルクだとかビターチョコレートだとか、同じような理由で一時的に品薄になったことがあった。今回はどうだろう? そう言えば、最近は早朝ウォーキングをしている人が少なくなったような気もする。楽をして減量したいという気持ちはわかるが、朝のブラブラ散歩を続けるだけで10キロ以上減量できた経験からすれば、結局は健康維持という目的をどれだけしっかり意識しているかという話だと思うのだが。 しばらくは仏さまにもガマンしてもらうしかないか。 |
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おすすめの出し物 | ||||||||
(2008/10/02) | ||||||||
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三文芝居:低級な芝居。つまらない芝居。 | ||||||||
政治って何のためにするんですか?という小学生の質問に、みんなが幸福になるためにやるんだよと答えたのは、当時自民党幹事長だった小沢一郎代表だった。 良い答だと思う。だからと言って民主党を支持するという話ではない。私は無党派である。政治が本当に国民の幸福のために行われるなら、自民党でも共産党でも良い。 与党が政権維持にこだわること自体を批判はしない。ところが、参院選後の二度にわたる首相辞任劇は、どこに国民の幸福という話があるのだろう? 小泉劇場で政治が身近なものになったのは良かったと言う人がいる。バカ言うんじゃない。身近になることと政治バラエティショーになることとは全然違う。 これからしばらくはどのメディアも嬉々として、三文芝居の顔見世興行を流し続けるのだろう。物寂しいどころか気が滅入ってくる秋だ。 |
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(2008/09/04) | ||||||||
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誇:ほこること。自慢に思うこと。また、その心。 | ||||||||
その時、酒を酌み交わしながら職場の問題を語り合っていた人もいよう。その時、難関突破の為に一心不乱に参考書に取り組んでいた人もいよう。その時、子供たちと一緒に歌を歌っていた人もいよう。その時、恋人に寄り添って幸福に浸っていた人もいよう。その時、メタボ解消の為に街角をジョギングしていた人もいよう。みんなみんな精一杯に生きている。 その時、荒れ果てた砂漠をどうしたら緑豊かな大地に変えられるか、その夢が適えられることなく、無知と偏見と誤解のために、一人の若者が帰らぬ人となってしまった。 オリンピックで感動をくれた選手たちはもちろん私たちの誇りだ。その他にも、わが国には誇るべき技術、知能、歴史など沢山ある。でも、世界に一番誇りたいのは、自分と何の係わりのない人たちのために、名誉も報酬も求めず、危険を承知で、ひたすら貧困と戦い続けた、こういう人がいるということだ。 伊藤和也さんに合掌。 |
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(2008/08/30) | ||||||||
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悠:とおくはるかなさま。のんびりしたさま。 | ||||||||
コロー展を見に行く。 盆休みなら空いていようという期待は見事に裏切られたが、混雑が気にならないくらい見応えのある良い展覧会だった。 印象派の先駆と言われる人だが、同時代に華々しく活躍した芸術家たちとは一風異なり、悠々とあるいは淡々とわが道を行くがごとく、ただ気に入った風景を人物を描き続けたフランスの画家である。 絵を楽しむ時はいつも、描いている本人になって、じっと作品の前に立つことにしている。すると、額縁の外の光景まで見える臨場感に包まれ、思わずキャンバスに筆を落そうとする、そんな自分勝手な空想がとても楽しい。 どの絵も風の音、せせらぎ、鳥のさえずり、人々の話し声が聞こえてくるようだ。家畜の臭い、乾いた土の香り、陽に照らされた柱の反射光、女の着衣の質感まで含めて、そのまま一篇の詩となって語りかけてくる。 上野は31日まで。その後は神戸市立博物館とのこと。 |
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(2008/08/15) | ||||||||
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愚行:おろかしい行い。ばかげた行為。 | ||||||||
その時父は三菱の造船所にいたというから、爆心地から3キロほど離れたところで被爆したわけだ。 大量虐殺は太古の昔から何度も繰り返されてきた人類の愚かな行為だが、原爆はほんの一瞬でそれを成し遂げてしまう。 日本の侵略戦争を正当化することはもちろんできない。しかし、敗色濃厚でボロボロの瀕死状態だったこの国が、原爆を2発も投下するに値するほど危険だったのだろうか。 アメリカの学校では、原爆によって多くの人命が救われたのだと教えている。それが正当な理由であるなら、イラク、イラン、アフガニスタンになぜミサイルを撃ち込まないのだろう。そこでは、今でも毎日のように沢山の命が失われているというのに。 学校や会社で戦争や原爆の話をしようとすると、なぜかみんな胡散臭い顔をして、話から逃げてしまう。反政府的な政治運動をイメージしてしまうからだろうか。権力や右翼ににらまれて面倒なことに巻き込まれると思っているのだろうか。何かおどおどしてこの話題を避けるのは、なぜなんだろう。ただ平和の有難さを話したいだけなのに。 8月6日、9日、15日がどういう日か知らない人が増えているという。子供が悪いのではない。大人が教えないのだ。 |
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(2008/08/06) | ||||||||
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蚊:ハエ目カ科の昆虫の総称。 | ||||||||
昔、ある合宿で夜更かしした時のことだ。話に興じていた我々を除くほとんどの奴がしっかりと寝息を立てている。 そこで、友人の1人が、どんなに熟睡していても確実に起こせる方法があると言う。やって見せてくれと言ったら、真面目な顔をして裏声でウーンと言いながら、寝ている奴の耳元に近づいていく。すると、何人かは本当に手で払おうとするのだから面白い。 虫偏に文という漢字は、あのイライラする羽音を象徴していて、うまく作ったもんだと感心してしまう。その蚊が、寝苦しい熱帯夜に、どこからか一匹だけ紛れ込んでくる。 ウトウトした矢先にブーンと来て、あわててタオルケットを頭から被り、汗だくに我慢できなくて顔を出し、またウトウトした頃にブーン・・・ 室外機の音が聞こえる隣家をうらめしく思いながら、これもまた夏の風物詩だと、やせ我慢して眠い目をこするのである。 |
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(2008/07/30) | ||||||||
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代謝:古いものと新しいものとが入れ替わること。 | ||||||||
かつて、朝の5時6時に街で出会うのは、犬の散歩ぐらいで、たまに思い出したようにジョギングする若者を見かけるぐらいだった。それが、最近は中年のおじさんの多いこと。 私のようによそ見してプラプラ歩くのと違って、真剣に大きく手を振って歩く姿は、なにか悲愴感がある。 腹回りが丁度85センチで血圧が少し高めなので、基準から言えば、私もメタボ予備軍だ。しかし、身長があるのでBMIは25を下回る。以前、過度のストレスで体調を崩し、死の四重奏すべてそろってしまったことがあるが、今はどこも悪い感じがしない。それでも、医者からなんやかやと言われるんだろう。全く余計なお世話だ。 友人の中には若い頃からぽっちゃりの人も多い。少しぐらい太目の方が長生きだとも聞く。85センチという根拠がよくわからない。 そういや、老人を75歳で線引きするのもよくわからないし、なんで国っていうのは、こんなふうに血の通わない杓子定規なことばかりやってるんだ? ほかにもっとやるべきことがあるんじゃないか? |
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(2008/06/29) | ||||||||
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粍:ミリメートル。1000分の1。 | ||||||||
何の関係もないのだけれど、着替えの時大きな百足が畳の上を這っているのを見つけて、いやな感じの朝だった。 食事を済ませ、ラジオを聞いていたら突然、永六輔さんが「揺れてる揺れてる」と騒ぎ出して、じっとしていると確かに大きな周期で家が揺れている。 岩手宮城内陸地震と名付けられたこの地震は、あの阪神淡路大地震に匹敵するほどの規模だったらしい。震源地が山の中だったので、あそこまでの大きな被害ではないが、栗駒山全体が一気に数百ミリ移動したという。犠牲者には謹んで哀悼の意を表したい。 こんなに大きいのは別格だが、気象庁の地震発生記録を参照すると、日本列島はほとんど常時地震が起きているのがわかる。そして、毎年数ミリずつ動いているのだという。 人間の感覚では全く変化がないのと同じだが、地球のスケールで考えれば、恐竜が生きていた2億2千万年前と今とでは、220キロ以上もずれていた計算になる。土地のことを不動産と呼ぶのは、人間の勝手な思い込みでしかない。 先月、中国四川省で6万人以上の死者を出す大地震があったばかりだ。大地はまさに動いている。 |
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(2008/06/15) | ||||||||
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縄張:博徒の親分の勢力範囲。動物の領分。 | ||||||||
なんか臭いなあと周囲を見渡すと、今日もマンホールのそばに落とし物。初めは犬の散歩の不始末と思っていたが、あるとき、黒と白のノラ猫が落としている現場を発見。以来、このノラはこの通りの悪役として君臨している。 この落とし物、見つけ次第すぐに取り除かないと、通り掛りの車のタイヤにくっついて等間隔に道路にばらまかれて、悲惨な事態となってしまうのだ。何を食っているのか知らないが、とにかく臭いの臭くないの、情けなくて掃除する気も起こらなくなってしまう。 先日NHKの番組で、猫は家の軒下とか花壇をトイレにしたがるとか言っていたが、このノラはアスファルトの真ん中に堂々と立派なお供えをして姿を消す。これ、間違いなく縄張を主張しているんだと思う。というのは、勢力の版図が変わるんだろう、毎年落とされる場所が動くのだ。 柑橘系が嫌いだとか、超音波で撃退するとか、いろいろ話を聞いてやってみたが、どれも目立った効果はない。こういう公共の場に、なんで個人が金を出さなくちゃいけないんだと怒りがこみあげてくるが、動物保護とかなんやかやで、役所は全然動いてくれないんだねえ、こういう問題には。 何か良い解決策はないものだろうかにゃあ。 |
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(2008/06/02) | ||||||||
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改善の値段 | ||||||||
5月22日付け朝日新聞の“カイゼンに残業代”という見出しに目を奪われた人は多かったのではないだろうか。 繁栄には常に光と影がある。世界一とも言うべきトヨタの改善だが、一方で労働条件や雇用実態に対してはかなり以前から批判があったのも事実である。利益さえ出れば良しとされる風潮の中で、そのような影の部分に言及すると、すぐに急進的左翼扱いされる変な国なのである。 当サイトでも解説しているように、改善は明らかに従業員の責任であり業務の一部である。それゆえに改善はもっと日常的に普通に行われるものなのだ。ところが、経営側は、改善とは従業員の自己犠牲的な行為であって、会社が金をかけずにコストダウンするのが改善の本道としてきた。仕事と認めない代わりに金も払わないというわけだ。 今こういう記事が表に出てきたのは、改善の本質とその正しい価値がようやく認められたということなのだ。 コメンテーターと称する輩の中に、自分も現場にいたと見栄を切りながら、アフターファイブでアルコールが入ればもっとアイディアが出る、それはどうなんだと息巻く情けない奴が結構いた。利権まみれの政治家でもあるまいし、そんな飲み屋の話まで改善だと、あなたは考えるだろうか? |
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(2008/05/26) | ||||||||
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話:はなすこと。会話。ものがたり。うわさ。 | ||||||||
ラジオは楽しい。TBSが多いのはたまたま電波の入りが良いから。 一番好きなのは若山弦蔵さんの「バックグラウンドミュージック」。日曜日のお昼、名探偵エイモス・バークの声が届ける穏やかなストリングスの調べにほっとする。 永さんの「誰かとどこかで」も大好き。50円の小言という新コーナーは共感する意見ばかり。定番の「小沢昭一的こころ」はいつもニヤニヤさせられる。 思えばこの素敵な爺さまたち、みんな後期高齢者。お元気な内にいろいろ話を聞いておかなければ本当に損する思いだが、インターネットどころかテレビにすら姿を見せない。 携帯があれば本なんかいらね。ネットがあれば新聞なんかいらね。メールがあれば手紙なんかいらね。コンビニがあれば商店街なんかいらね。ついでに警備会社があれば近所付合いなんかいらね。でもねぇ・・・。 ラジオなんて確かに前時代のローテクだけど、実は携帯やネットなんか比べ物にならないほど奥が深いんだぞ。 お、そろそろ「荒川強啓デイキャッチ」が始まる。 夜の渡辺真理さんの「アクセス」っていうのも面白い。いいから、たまにはパソコンオフにして、ゆっくりラジオでも聞こうよ。水割りでもやりながら。 |
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(2008/04/14) | ||||||||
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粘着性:粘りつく性質。〔心理〕てんかん性質。 | ||||||||
評論家や雄弁家でなければ政治を語ってはいけないということはないはずだ。このところの混乱ぶりは見ていて辟易するばかりだが、一方で、この国の議会制民主主義というシステムが、やっと実感で理解できたような気もする。 昨年の参院選で野党過半数となった時点で、少なくともこの3年間は与党にとって国会審議がうまく行かなくなるのはわかりきっていたことだ。それを避けるなら、野党を切り崩してギリギリでも参議院過半数を維持するか、速やかな解散総選挙以外にとるべき道はなかったのだ。おそらく衆院選も野党の勝利となることだろう。野党がしっかりと政権運営できるどうかは全くの未知数だが、今のようにお話にならないメチャクチャな混乱はなかっただろう。 優位性が定められているせいで、衆議院の多数政党がすべての政策を決めてしまうわけだし、チェック機関とは名ばかりの参議院なんてムダだからいらないとも思ったものだ。しかし、実は参議院こそが国民の意思を反映し政権の行き先を決めているのだった。 少し考えればだれでもわかるこんな簡単なことに、粘着性の強い今の与党だけが全然わかっていない(もしかしたらマスメディアも?)。このままでは、ますます支持率が下がるだけなのもわかっていない。日本の信用も経済力も国民生活も。 |
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(2008/04/10) | ||||||||
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他人事:自分とは無関係な、他人に関すること。 | ||||||||
今日から新年度に入る。その最初の日はウソを言ってもよい日とされている。4月馬鹿とはこの日にかつがれた人のこと。他の日にウソをつくと、エンマ様に舌を抜かれるのである。ところが、スペアを持っているので平気な方々もいる。 自民党をぶっこわす…ウソだった。年金完全支払い…ウソ。道路特定財源は道路だけに使用…ウソ。国民を守るイージス艦…ウソ。憲法遵守…ウソ。世界平和貢献…ウソ。公約違反なんかしていない…ウソ。ウソ。ウソ。 2年前に強行採決した後期高齢者医療制度というのが今日から始まった。また貧困層から金をふんだくるんだと。そうしないと今の医療制度が破綻するんだと…ウソ?臭い。 民間企業ならまず改善で徹底的なムダ取りをしたりシステムを変えたりするのが普通。官僚やエッラーイ先生方は現状維持と金をふんだくることしか能がない。 進歩とは変わることなり。この国に進歩なんてあるのか? |
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(2008/04/01) | ||||||||
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躾:しつけ。礼儀作法を身につけさせること。 | ||||||||
朝の散歩でのこと。 ちょうど新聞を取りに出てきた幼女が「こんにちわ」と挨拶してくる。就学するかしないかくらいの歳だろうか。「朝はおはようだよ」と言うと、「おはよう」という小さな声。 たったそれだけのことなのに、挨拶はとても気持ちが良い。なんといっても挨拶はただだ。こんなに安上がりで良い気持ちになるものは他にはない。にもかかわらず、挨拶ができない人が多くなった。 近所でも顔を合わせて挨拶するのはお年寄りやご婦人だけ。野郎はダメだね。こちらから挨拶しようと顔をむけても、わざとらしく気付かない様子でよそを向いたり物陰に隠れてしまう。ガキどももダメだ。おはようと言ってもジロっとこちらを見るなり走って逃げていってしまう。 そんな昨今、この子の親はちゃんとしつけをしているなあと感心しながら通り過ぎた。・・・でも、ちょっと待てよ?と振り返る。もうその子の姿はない。こちらは見ず知らずの怪しげな男なのに・・・殺人やら誘拐やら物騒なこの時代、子供へのしつけといえば、よその人には気をつけなさいっていうのが普通だろう? そのうち、あの子も挨拶しないガキの一人になるんだろうな。結局、挨拶できない世の中にしているのはわれわれ自身なんだろうかと、そんなことばかり考えて帰宅した。 |
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(2008/03/25) | ||||||||
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知的:知性の豊かなさま。彷徨:さまようこと | ||||||||
アーサー・C・クラークさんの訃報を聞いた。20世紀を代表する3大SF作家の最後の一人だった。 私も大半のファンと同様、最初に彼の作品に接したのは、映画「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック監督)だ。もっとも当時まだ十代のガキだった私には難しすぎてほとんど理解できなかったが、画面全体に広がる宇宙と荘厳なクラシック音楽が織り成す幻想的な映像に衝撃を受けたものだ。 邦画名では宇宙の旅だが、原題はスペース・オデュッセイである。オデュッセイとはギリシャの詩人ホメーロスによる叙事詩で、転じて波乱万丈の旅を表すようになり、さらに精神的漂泊とか知的彷徨といった意味を持つようになった。つまり単純な宇宙冒険物語ではなかったのだ。 彼らの作品は文学である以前に学問の解説書みたいな重さがあった。私の勝手な印象では、ハインラインは社会学、アシモフは自然科学、そしてクラークは哲学という感じ。そういう読み応えのあるSF作品に出会うことが少なくなった。今は頭を使わないお伽話みたいな感じでないと一般受けしないんだろうな、きっと。 夢と学問の先導者に合掌。 |
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(2008/03/20) | ||||||||
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枕:まくら。 | ||||||||
枕は寝るときに頭を支えるものだが、前置きなんていう意味もある。 例えば、和歌の枕詞、あるいはくだけたところで落語の枕にしても、次に続く話を想起させるきっかけとして語られる。彼岸になり、学校も休みに入るこの時期は、4月新年度が始まる前の枕ということだろう。 さて、今この枕に語られていることと言えば、大恐慌の不安さえ囁かれる急激な円高・株安・物価高、それを放置したまま何もできない政治の体たらく。隣国では平和の祭典を前に、なにやらキナ臭い話が聞こえてくるし、こんな枕ではこの先景気の良い話に続くとは到底思えない。 春眠暁を覚えず。唐代の詩人孟浩然の有名な一節では、春の夜は寝心地が良くて夜が明けても目が覚めないという。時代錯誤の中華思想と息苦しい共産思想の雑炊みたいになってしまった国に、昔はこんな風雅な文化人がいたんだよなあ。 本当はいつまでも枕が恋しい春の床。しかし、世の中こんなにバカバカしい話ばかり増えてくると、どこが寝心地が良いもんかと愚痴のひとつも言いたくなる。これじゃ、皮肉を言うぐらいしか面白がれないじゃないか、バカヤロー! |
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(2008/03/19) | ||||||||
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俗物:名誉や利益だけにとらわれている人物。 | ||||||||
変な言い掛りはやめて頂きたい。私たちは常に国民の幸福でなく自分自身のために知恵を出し汗を流しておるのです。 道路作りのために皆様からお預かりしたお金で、お役所の方々に豪華な旅行をして頂いていますし、こうした方々には退職後も安定した高収入を保証させて頂いております。また、年金の名寄せにつきましては、経費節約のため低賃金で日本語のわからない外国人を雇って進めております。いつか適当な時期に終わりにしますからご安心ください。 円高・株安・石油高等景気に関わる問題はすべてアメリカ次第で、皆様を裏切らないことは決してございませんのでご安心ください。少子化、環境問題等々につきましても、我々を信じてお任せいただければ必ず従来と変わらぬ結果を出し続けます。なお、衆議院の解散は皆様が絶望して政治に関心がなくなるまではございませんのでご安心ください。 え?北海道の極寒の地で80歳のばあさんが一人、月5万の年金だけで暮らしている?ほう、それは大変ですねぇ。まあ、今は誰もが苦しい時ですからねぇ。我々だって死にもの狂いなんですよ。 まずは、日銀総裁人事、道路財源現状維持、その他もろもろの議案に一日も早くけりをつけたいのですが、野党が参議院の多数の横暴でバカなことばかり言うんで困っているのですよ。ここは皆様のお力でなんとかして頂けませんかねぇ、見返りになることは決してしませんから。 |
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(2008/03/12) | ||||||||
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蜜柑:ミカン亜科ミカン属の樹または果実の総称 | ||||||||
蜜柑。みかん。かわいらしい名前の果物だといつも思う。 実はジュースにした方が栄養吸収しやすいのだという。しかし、袋や白い筋も一緒に口に入れて、味と香りと噛み心地を同時に楽しむ面白さは蜜柑ならではのものだ。 湯河原の梅を見物に行く道すがら。地元の農家が収穫した蜜柑がところどころ無人スタンドで売られている。少し汚れて見ばえの良くないブス蜜柑だが、手に取るとふんわり柔らかくて、それだけで味が良いのがわかる。実際、酸っぱ過ぎず変に甘過ぎず、蜜柑の味がしっかりしていて美味しい。 以前、出荷前の農家で、大きさを仕分ける作業を見たことがある。手作りの仕掛けを使って次々とL・M・Sのサイズに分けられていくのが面白かった。この無人スタンドのはMとSが混ざっているようなので、本当は売り物にならないクズ蜜柑かもしれない。しかし、見ばえより本物の味を楽しめるのは生産者の特権。そのおすそ分けを少しいただく。 |
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(2008/03/03) | ||||||||
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閏:うるう。季節と暦を調節するための時間 | ||||||||
必ずズレやバラツキが出てきて、単純な計算どおりには納まらないから、現実というのは面白いんだ。 地球が太陽を1周するのは365日と5時間48分46秒かかる。この余分の時間を4年分積むと23時間15分と4秒足らずになり、これを1日として4年に一度1年を366日として暦を調整するのが閏。1日24時間には44分と56秒余り足りないので、これを更に積んでいって適当なところでまた別の閏が発生する。 今日は大叔母(祖母の姉妹)の誕生日。正月は84回迎えたが、誕生日はまだ21回目。もちろん、法律上は毎年2月が終わった時点で年齢加算されるので21歳ということはないが、したり顔でそんな固いウンチク並べるより、長澤まさみとか絢香なんかと同い年だよって笑っている方が楽しい。次の誕生日は本当は米寿だが、そんなお祝いより青春ど真ん中をぶっ飛ばせ! |
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(2008/02/29) | ||||||||
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蘭:花の種類 爛:ただれること。まっさかり | ||||||||
毎年多くの愛好者を集めて開催されているという世界らん展(2/23〜3/2 東京ドーム)を見に行く。 先日NHKの趣味の園芸でも紹介されていたせいか、平日だというのにかなりの客が会場を埋めている。良い香りが漂う鮮やかな色彩の競演は豪華絢爛の見事なものばかりだ。 しかし、率直な感想を言うと、会場全体が妙に混沌としていて落ち着きがない。花の展示会というより産業物産展みたいな感じがして、だんだん頭が痛くなってきた。これは何なんだ? 一つ一つの株は込めた丹精が伝わってとても素晴らしいのに、まぶしい人工の光の中でそれらがン十万、ン百万の値段を主張して格闘乱舞しているのだ。そうか、ここは野球という戦いが行われる場だった。それに気付くと、なにやら花が哀れになってきた。 うちの庭の隅にも毎年エビネが咲く。特に何も世話をしていないので、いつも目立たずに静かに咲く。その奥床しさが良い。 |
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(2008/02/28) | ||||||||
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犀:動物のサイ | ||||||||
あるクイズ番組の問題。名前に動物が入っているこの有名人はだれか?。ヒントは「故郷は遠きにありて思ふもの」という詩で有名な作家。あなたは答えられるだろうか? このときの解答者は金田一秀穂さん。さすがすんなり答は出てきたのに、書く段になって「サイの字がわからない」とポツリ。 えー!?日本語の神様と言われる人だよって思うところだが、わからないときはわからないとはっきり言う方が気持ちが良い。 神様ということで常に完璧が求められるなんて、かわいそうだなあと思いつつ、まあテレビのバラエティなんだから関係ないかとムリに納得する。ガチガチの100点満点より、少しばかり不完全なところがあった方がホッとする。その方が人間らしいじゃないか。 |
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(2008/02/26) | ||||||||
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